ドーナツの穴はお尻を乗せるためにあるのよ

考え事

 

ミスドに通い,ドーナツの穴を見つめる生活

最近,外出時のランチをミスドで済ませる事がやけに多くなった.別に自分の胃がひっきりなしにドーナツを欲しているというワケではない.私の頭は欧米カブレかもしれないが,私の胃はまだまだ大和撫子である.私が最近ミスドに足繁く通うようになった理由,それはドーナツの穴を観察する事で「無」に対する思考への感受性を高めたいが故である.一体何を言っているんだお前は.お前は一体何処に向かおうとしているのだ.D'où venons-nous ? Que sommes-nous ? Où allons-nous ?

 

自動ドアをくぐると,そこは店員のにこやかスマイル畑.

「いらっしゃいませ.店内でお召し上がりですか」

「は,はい,そうです」

 

ショーケースの中でギュウギュウに肩を並べる大量のドーナツの存在感に,ただひたすら立ち尽くす私.大量のドーナツが一斉に「私を選べ」と声を荒げる.細長いやつ,全身砂糖まみれのやつ,白いココナッツが塗してあるやつ…….色んなやつが透明なショーケースの中で犇めきあう.そんなドーナツ達の総合唱を耳にしていると「みんないいねえ,みんな違ってみんないいねえ,みんな買っちゃおうかあ」と私の中の金子みすゞが調子に乗り出すので,耳に蝋を詰めたオデュッセウスの如く,私は意を決して「君」を選ぶ.考えるな,感じろ.君に集中しろ.そう,君の名は,チョコファッションである.

 

「ええと,チョコファッション一つと,ブレンドコーヒーを下さい」

「かしこまりました,少々お待ち下さいませ」

 

店内の隅の方の席に腰を下ろし,コーヒーを啜りながらまじまじとドーナツの穴を眺める.そこにあるのは,穴.穴,穴,穴.穴は無であり,無とは有の対立項であり,そして単なる欠如なのだろうか.いや,恐らくそうではない.無とはエネルギーが最も充溢した状態であり,それは全能性であり,静けさである.

…….

ポン・デ・リングにかじり付く真面目そうな顔をしたカップル,眉間に皺を寄せながら小説を読むお爺さん,買い物袋をどっさりと抱えた女子中学生,PCのキーボードをカタカタと叩き続けるスーツ姿のお兄さん,そしてドーナツの穴に吸い寄せられる私.各々がバラバラであるが,バラバラであるものが,ミスドの店内で流れる何処か古臭いBGMとともに絶妙なバランスで「調和」していた.この調和感.そう,まさにこれだ.THIS IS IT. 私は遂に悟ったぞ.ドーナツよ,ありがとう.

 

youtu.be

 

三浦くんに関する追記

atamaganai.hatenablog.jp

atamaganai.hatenablog.jp

彼は赤の他人ではあるが,今では何だか愛だの恋だのそういった陳腐な枠を完全に越えた感じの謎の親近感がある.好きな音楽のオタク話をしてみると「このバンドのこの辺りまでの音の雰囲気は好きだが,ここから先はあまり好きではない」という微妙なラインの好みまでもが妙に一致する.隣に座る彼の机をちらりと横目で見ると,偶然なのか呪いなのか,私が購入した飲み物と全く同じ飲み物が置いてある.更に,持ってきたカバンも黒のリュックサックという事でまた被る.しかも何だか似たような事を考えている.三浦くん,君は一体誰なんだ.やっぱり何もかもグルなのかもしれない.世界,ほんとうによくわからん.それにしても君の顔は綺麗だなあ.不思議だねえ.

 

誰か結婚しようよ

atamaganai.hatenablog.jp

 

以前,結婚に関して筆を執った事があったが,一年弱時間が経過したお陰で,どうやら私の考えも多少は変化してしまったようである.確かに今も結婚を前提とした交際に対しては微塵も魅力を感じないし,結婚制度それ自体に対してはファック・オフの一言に尽きる.この点は一貫して変化していない. ただ,気付かぬ内に「結婚制度の根底に存在する理念に対しては同意を示せないとしても,結婚制度は制度としてあくまでその上っ面だけ利用出来るだけ利用しちまえばいいし,制度内のルールはお互いに息苦しくならない範囲で好き勝手に決めたりすればよいではないか」というある種の諦観を伴った主張に,私は自分の軸を移動させてしまったようである.

別に結婚をするのも悪くはないと思う.一人で生きる事はほんとうに難しいんだもの.人間だもの.心が折れそうな時,咳が止まらない時,誰かが側に居てくれるという事は,ほんとうに心強いと思う.制度は単なる枠に過ぎない.制度が「こうであれ」と私に命じたとしても,私がその命令を川魚を目にした鵜の如く丸呑みする必要はない.川魚が喰いたくなけりゃ口を開けなければよいし,逆に喰いたい気分の時は大口を開けて丸呑みしてやればいいだけの話である.枠の内部で如何に動くかを決定する主導権は,に在る.ざまあみやがれ.いっひっひ.

という事で,気が合う人に出会えたならば,私はいつか結婚するのも悪くはないと思う.誰か結婚しようよ.結婚して二人でバカやって死のうや.

 

 

以上.主観性だけを頼りに日々を生きていきたい.自我礼賛.